お墓とお仏壇
大日堂の石原です。
3月の初めに白内障の手術をしました。
3回目の成人式がちょっと前に過ぎたばかりの私、全く自覚症状は感じて無かったのですが、前々から突発性緑内障の疑いがあると言われていて、それを回避するために、白内障の手術をしましょうということになりました。
一か月以上前から毎週のように眼科に通い、血液検査や様々な目の検査を行い、手術の内容、手術前と術後の注意点等々の説明を受けながら準備して行きます。
当然、気持ちは不安で一杯です。
実際の手術の様子をビデオで見せられた時には、「やめるのなら今よ!」(心の声)と、動揺が収まりません。
でも、突然頭が痛くなって緑内障が発症するかも…
心が右往左往する中、亡くなった父や母も80才前後に白内障の手術をしたり、それよりもっと大きな手術も経験していた事を思い出し、お墓参りをしました。
お墓を綺麗に清め、お墓の前で額ずき手を合わせていたら、自分でも不思議なんですが、心が落ち着いてきました。
どんな時も気丈に振る舞っていた父と母のことが浮かんできました。
白内障の手術ぐらい何てことないよ!と背中を押してくれた気がしました。
それからは、手術日まで粛々と過ごしまして、いつも朝は炊き立てのお仏飯と初水、二人が大好きだった淹れたてのコーヒーは欠かしたことがないのですが、いつになく気持ちの入った朝夕のお勤めになりました。
そして、いよいよ手術日当日、お仏壇に行ってきますと手を合わせ、臨みました。
手術一時間前から目薬で麻酔を何度も入れながら準備して行きます。
無菌の手術室までには3回スリッパを履き替え、それぞれの部屋には大きな字で「目をキョロキョロしないでください」と書かれており、緊張度マックス‼
いよいよシートがリクライニングされ、手術着の先生が「大丈夫だからね」と言いながら私の肩をトントンと…
ご自身は「フゥー、フゥー」と大きな深呼吸‼
「えー‼先生、怖いんですけど…」(心の声)
「南無釈迦牟尼仏、南無釈迦牟尼仏…キョロキョロしない!キョロキョロしない‼」(心の声)
手術中、全く痛みもなく、約20分で無事終了!
一週間後に今度は反対側の目を手術して今に至っております。
斯くして、私の白内障手術は父と母の面影に支えられ終了しました。
お墓とお仏壇のお陰で勇気と力を頂きました。
本当に感謝です。
合掌