棚経
大日堂の石原です。
子供の頃から毎年この時期になると、母が「今日はお寺さんが来られるから」と忙しくしていたのを思い出します。
菩提寺の僧侶が檀家の自宅を一軒ずつ訪問して読経することを「棚経(たなぎょう)」と言います。
今年もお寺さんが棚経(たなぎょう)に来て下さいました。
お経の後で「今日はちょっと難しい盂蘭盆(うらぼん)のお経を上げました」とお話を始められ、お盆の由来と、なぜ「棚経(たなぎょう)」と言うのかということをお話し下さいました。
その昔、お釈迦様の弟子である目連は、餓鬼道(がきどう)に堕ち「逆さ吊り」にされ、飢えに苦しむ母親の姿を見つけてしまい、お釈迦様に「何とか母を助けたいのですが、私は何をすれば良いのでしょうか?」と相談したところ、母親だけではなく、同じ苦しみを持つ全ての人を救う気持ちを持つようにと諭されたそうです。
お釈迦様のありがたい教えをいただいた目連は、僧侶や人々にできる限りのお布施や供養を施しました。
すると目連の功徳が認められ、母親は極楽浄土に召されて成仏することが出来たそうです。
また、ご先祖様をお迎えするこの時期に精霊棚(しょうりょうだな)を作り、畑で採れた野菜や果物などのお供え物をして、精霊棚の前で読経していたことから、棚経と言うようになったそうです。
お供え物をするというのは、全て「布施(ふせ)」の心です…ともお話し下さいました。
この日は平日でコロナ禍でもあり、私一人でお寺様をお迎えしました。
とても贅沢な時間でした。
両親の遺影の前で、有り難いお経とご講話のご縁に感謝です。
少しウルウルしました。
そういえば、母がご先祖様を迎える13日と送る15日には「お団子」を作りお供えしていたなあ…
仏様用のお膳も色々お供えしていたなあ…
次の代を引き継ぎ、担って行かなくてはと改めて自覚した日でした。
合掌