大日堂の金山です。

私がまだ学生の頃、京都旅行で訪れた清水寺で初めてお参りした胎内めぐり。
当時は半ば興味本位でのお参りだったために意識していなかったのですが、それがなかなかお目にかかることのできない仏さま、大随求菩薩（だいずいぐぼさつ）の胎内めぐりであることを知ったのは、ずいぶん後のことでした。

衆生の求めに随って（したがって）その願いを叶えてくださるといわれる仏さま、大随求菩薩。
健康や安産、厄除など、万能ともいえるほど様々なご利益があるといわれる仏さまですが、注目したいのは追善と滅罪の功徳です。

大随求菩薩に帰依すれば、たとえ地獄に堕ちるような人でも極楽浄土に生まれ変わることができるといわれています。
そのため、お墓にお供えされる卒塔婆（そとうば）には、裏面に大随求菩薩を表す梵字ハラが書かれることがあります。

長くも短い人生の中で、知らず知らずのうちに罪を重ねてしまう私たち。
そんな私たちにも必ず救いがあるのだと思うと、心が軽くなるようです。
コロナ禍が明けた際には是非また清水寺を訪れて、今度こそは信心を持ってお参りしたいと思います。

合掌