祥月命日
大日堂の石原です。
3月4日は祖母の祥月命日で、お墓参りに行ってきました。
私はおばあちゃん子で、祖母が大好きでした。
私が小学校に上がった頃には、祖母の両眼はほとんど光を失っていました。
学校から帰ると直ぐに祖母の部屋に行き、国語の教科書の本読みをし、その日あった学校での出来事などを話します。
祖母はとても楽しみにしてくれ、それが毎日の日課になり、六年が過ぎました。
卒業式を前にして、卒業文集に俳句や短歌の中から一人一句掲載することになりました。
そのことを祖母に話して数日後、祖母が私に「師の恵み こころに受けて 巣立つ子ら」と、一句詠んでくれました。
おばあちゃん、それいいね!
私はその句を先生に提出しましたが、即ボツ!
「家の人に考えてもらったね、ダメです。やり直し!」
それで考え抜いて、心のままを詠みました。
卒業前の学習発表会の朝、いつもより早い登校でした。
発表会を終えて家に帰ると、家の周りに花輪がたくさん並べてありました。
3月4日、朝8時過ぎに祖母は息を引き取りました。
両親は、小学校最後の学習発表会なので知らせないようにしてくれたようです。
数日後、無事卒業式を終え、卒業証書と卒業文集を祖母にお供えして見てもらいました。
母も卒業文集を見たようで「もう、顔から火が出る程恥ずかしい!」と、私の作品を読んで嘆いていたのを思い出します。
その一句とは…
「私を苦しめた 算数よ! 鉄棒よ! さようなら」字余り…。
句になってない…。
五十数年前のことを思い出しながら、お墓に眠っている祖母と母、墓前にいる私。
暫くの間の女子トーク。
墓前や仏前は、心が素直になりその頃に戻れます。
いいですねぇ。
鮮明に蘇ります。
あの時の小学生が、今はもう六十過ぎのおばちゃんです。
合掌