阿吽
大日堂の金山です。
お墓や仏像などの石工事は、二人一組で行われることが多いのですが、熟練のチームほど言葉少なく仕事が進みます。
多くを語らなくても、お互いの考えがわかるようです。
いわゆる「阿吽の呼吸」ですね。
「阿吽の呼吸」は、二人以上で物事にあたるときに、意思が通じ合って息がぴったり合うことを意味しますが、その由来とされているのが、お寺の表門におまつりされている金剛力士(こんごうりきし)です。
金剛力士は仁王(におう)とも呼ばれ、口を開けている阿形(あぎょう)と口を閉じている吽(うんぎょう)の二体一組でお寺を守護します。
諸悪が入り込む隙を与えないその仕事ぶりは、まさに「阿吽の呼吸」そのもの。
理想的なチームです。
仁王尊を拝むと、その力強さも相まって、熟練の石職人達の姿が思い出されます。
そして、尊敬の気持ちと同時に、どこか羨ましい気持ちが湧いてくるのです。
合掌