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日々のこと

墓石の文字の拓本

拓本

大日堂の石原です。

年月が過ぎ、強い日差しや雨、風に耐えてきた古い墓石は、彫ってある文字がだんだんと見えにくくなります。
ご先祖様の戒名(法名)や家紋が分からない時や、今まで彫ってある文字の隣に新たに文字を彫り足すときなど「拓本」をして、文字や家紋を確認します。

「拓本」の方法の一つとして、墓石に白い紙(障子紙等)をぴったり貼り付け、色付きのチョークやクレヨンなどで、文字の上をしっかりと擦りつけるように塗っていきます。
すると、彫ってある文字が浮かび上がってきます。
この方法で大体の文字や家紋が確認できます。

先日も「拓本」を採ってきました。
境内墓地や霊園、町営墓地など、どんなところでも参ります。

昔々、写真や印刷の技術がなかった時代に、人々は「拓本」という方法で複製をしました。
書道を学ぶ中で、「楷・行・草」の臨書がありますが、何百年、何千年か前の中国の石碑を臨書します。

代表的なのは、現在の楷書の基となっている、昭和の小学校の教科書にも使われた「九成宮醴泉銘」(きゅうせいきゅうれいせんのめい)欧陽詢書。
唐の時代の石碑ですが、いにしえの頃より、おびただしい数の「拓本」が採られ、現在の碑は表面が痛み、点、画が薄れているそうです。

「楷・行・草」の中で、私は楷書が一番好きで、この「九成宮醴泉銘」は何度も何度も臨書して来ました。
書けば書くほど奥が深く、欧陽詢のように、キリッとした中にも品のある、洗練された楷書が書けるようなりたい、アリの一歩でも近づきたいと思のですが…。
日々精進精進!!
…まあ何と日々精進することが多いこと…!

合掌