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日々のこと

偲ぶ

根の谷川墓苑の佐藤です。

お彼岸が近づいて参りました。
春のお彼岸は「春分の日」を中心として前後3日間、今年は3月18日〜24日までの7日間になります。

「お彼岸」とは「到彼岸(とうひがん)」という意味で、煩悩や迷いのある世界から悟りの開けた世界へ至ること、至るために行う修行のことを指します。

語源は、サンスクリット語で「パーラシタ(波羅蜜多)」という言葉だそうです。
「パーラシタ」とは、仏教用語で「彼岸(パーラム)」「至る(イタ)」の2つの意味を持つ言葉です。

仏教では元来、煩悩に満ちあふれるこの現世の世界を「此岸(しがん)」と呼びます。
それに対して、悟りの境地である涅槃、あの世の世界を「彼岸(ひがん)」と呼びました。
「此岸」とは「こちら側の岸」という意味で「彼岸」は「あちら側の岸」の意味です。

こちらとあちら、双方の間には川が流れているのです。
川とは、すなわち生と死の世界を隔てる「三途の川」のことです。
川は仏教にとってとても象徴的な場所で、生と死を分けるだけでなく、煩悩と悟り、俗世と来世を分けるものとされています。

お彼岸の成り立ちは、彼岸の浄土信仰に加え、太陽の動きや天文学も合わさっています。
古代の中国では、お彼岸に太陽が沈む真西の方角に、極楽浄土があると信じました。
太陽が真東から昇り、真西へと沈む、春分の日、秋分の日はこの世(此岸)とあの世(彼岸)が最も通じやすい日と考えられ、死者を偲ぶ日、来世を偲ぶ日としても捉えられるようになりました。

このように、太陽の動きや天文学と、至彼岸の浄土信仰が合わさって「お彼岸」という風習が成り立っていきました。
だから私達日本人は、お彼岸にお墓参りを行なっているのです。

彼岸は家族で集まってお墓について話し合う良い機会です。
近年ではお墓の整理、いわゆる墓じまいをする人も増えています。
先祖に想いを馳せる事と同時に、今後お墓をどうするか、一度ご家族で話し合われてはいかがでしょうか。

合掌