お墓は、ご家族のお骨を納めておまつりしてご供養するためのもので、
宗旨、宗派によって建て方が異なり、必要な付属品も変わります。
また、お墓は地域性が強く、同じ宗旨、宗派であっても、
地域によって建て方や、お参りの仕方に大きな違いが見られます。
宗旨、宗派によって建て方が異なり、必要な付属品も変わります。
また、お墓は地域性が強く、同じ宗旨、宗派であっても、
地域によって建て方や、お参りの仕方に大きな違いが見られます。
お墓の種類
和墓
日本の伝統的なお墓です。お墓の1番上の石を仏石(ほとけいし)、竿石、棹石(さおいし)といい、仏石の幅が7寸(約21cm)のお墓を7寸墓、8寸(約24cm)、9寸(約27cm)、10寸(約30cm)のお墓をそれぞれ8寸墓、9寸墓、1尺墓といいます。仏石が大きくなるのに従って、台石も大きくなり、お墓の高さも高くなります。また仏石の下の台が2段、3段、4段のお墓がありますが、それぞれ2重台、3重台、4重台と呼び、台石の数が多くなるほどお墓の高さが高くなります。浄土真宗以外の宗派では、先祖供養のために五輪塔と呼ばれる供養塔を建てる場合があります。また神道では、竿石の上を尖らせる剣(角兜巾)加工が多く見られます。
洋墓
西洋風のお墓です。和墓と比べてお墓の高さが低いため、地震に強いイメージと、モダンな印象で人気が高まりました。西洋風であることから、キリスト教のご家庭のためだけのお墓だと思われがちですが、実際には多くの仏教のご家庭で洋墓が建てられています。デザインの幅が広く、特定の宗教にとらわれない表現も多く見られます。一方で、伝統的なお墓ではないことから、一部のお寺の境内墓地では洋墓が建てられないこともあります。
デザイン墓
従来の形にとらわれない、モニュメントのようなお墓です。芸術性が高く、一見お墓には見えないデザインのお墓もあります。また、和墓を思わせるデザインがされた洋墓など、和墓とも洋墓ともいえないデザインのお墓も、デザイン墓と呼ばれることがあります。
主な付属品
具足(ぐそく)
花立、香炉(線香立)、火立(ロウソク立)を具足と呼びます。和墓の場合、花立は供物台と共にお墓の本体と一体となっています。花立と火立が対となる五具足(ごぐそく)が一般的ですが、コンパクトなお墓の場合、それぞれ1つずつの三具足(さんぐそく)となる場合があります。神道の場合は、線香をお供えしないため、香炉の代わりに八足台(はっそくだい)と呼ばれる供物台を設けます。
花筒(はなつつ)
花をお供えするために花立に入れて使用します。古いお墓には設置できない場合があります。ステンレス製が一般的です。
墓誌(ぼし)、
法名板(ほうみょうばん)、
霊標(れいひょう)
お寺さまや神社さまからいただいたお名前(法名、戒名、諡)、生前のお名前(俗名)、亡くなられた日付(歿年月日)、亡くなられたお歳(行年、享年)などを彫ります。墓誌を設けない場合には、お墓の仏石に彫ります。
塔婆立(とうばたて)
故人を供養するための卒塔婆(そとうば)を立てます。浄土真宗以外の宗派で設けます。石製とステンレス製とがあります。
座布団(ざぶとん)
お墓の装飾として、仏石のすぐ下に設けます。蓮華、剣(角)、巻、丸と多くの種類があります。
灯篭(とうろう)
墓地の装飾のために墓前に設けます。以前は実際に火を灯して使用していましたが、現在では装飾の意味合いが強くなっています。
玉垣(たまがき)
墓地の周囲に建てる塀のような装飾で、墓地の結界を表します。
巻石(まきいし)
墓地の敷地を取り囲む、隣接する墓地との境界を表します。
お墓の建て方
墓地の確認
墓地の寸法や決まりを確認します。墓地によっては、建てられるお墓の種類や数に制限がありますので、事前によく確認しておく必要があります。
宗旨、宗派の確認
ご家庭の宗旨、宗派を確認します。それぞれの宗旨、宗派でお墓の形や、必要な付属品が異なりますので、事前によく確認しておく必要があります。
お墓の形の選択
建てるお墓の形を選びます。既存のデザインから選ぶ以外にも、オーダーメイドで一からデザインを起こすこともできます。
石の種類の選択
建てるお墓に使用する石の種類を選びます。石は世界各国で産出されますが、お墓に使用する石としては現在、日本産、中国産、インド産などの石が多く選ばれています。
文字、イラストの選択
建てるお墓に彫る文字を選びます。宗旨、宗派によって彫る文字が異なります。洋墓の場合は、宗旨、宗派にとらわれない文字を彫ることもできます。また、装飾としてイラストを彫ることもできます。
お墓の据付工事
加工され、文字の彫られたお墓の据付工事を行います。墓地によっては、墓地管理者に対して事前の届出が必要となる場合があります。
建碑式(けんぴしき)、
(開眼法要、お性根入れ)
建てられたお墓の前で、建碑式、開眼法要を行います。ご家族が亡くなられて建てたお墓の場合は、同時に納骨法要を行います。納骨にあたっては、墓地管理者に対して、市区町村より発行される埋火葬許可証(火葬許可証)の提出が必要です。