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日々のこと

もみじの紅葉

大日堂の石原です。

大日堂の事務所の庭には3本のもみじがあります。
仕事中、目の前の芝生のように広がった苔の絨毯の上に綺麗な落ち葉が広がっているのを眺めると、風情があって疲れた目や心を癒やしてくれますが…

この時期、風が吹くとあっという間に大量の落ち葉が積もります。
錦の絨毯も綺麗ではありますが…掃いても掃いても…

「この度は幣(ぬさ)もとりあえず手向山 もみじの錦 神のまにまに」(菅原道真)

百人一首の中の一首ですが、学問の神様、菅原道真の句です。
「この度の旅は急な旅立ちで捧げる幣(ぬさ=手土産)を用意することも出来ませんでした。この手向山の美しい紅葉をぬさとして捧げます。どうぞ神のお心のままにお受け取り下さい」
素敵な句ですよね。

もうすぐお正月ですが、子供の頃、お正月に親戚中が集まってお屠蘇を祝った後、従兄弟や姉妹みんなで百人一首大会をしていました。
読み手は、父か叔父。
子供たちは下の句を並べ、さあ、始まりです!

みんなそれぞれ、お得意(好きな)の句があります。
その句の札に一点集中!

もちろん私は、この菅原道真の句です。
それを知っている読み手は、わざと「これやこの…」「こいすちょう…」などとフェイントをかけて、お手つきを誘います。(ペナルティー有り)
今でも鮮明に思い出します。

ではなぜこの句が十八番になったかと言うと、子供の頃に國前寺の門前に大きな松の切り株あったのですが、そこでいつも遊んでいました。
祖母が「昔々その昔、國前寺の目の前(今の光町)まで海だったそうよ。國前寺に向かって左上方向に学問の神様「菅原道真公」が祀ってある尾長天満宮があるけれど、道真公が隠岐に向かう途中、ここの松に舟を着けて天満宮のあたりで休まれたそうよ…」と、そんな話を聞かせてくれていたので、あぁ、この道を道真公も通られたんだ!と、子供心にロマンを感じていました。

神社仏閣に行くと心が落ち着くのは、祖母のお陰かも知れません…
おばあちゃん、ありがとう…

合掌